コスト削減の指導をしている関係上,工場を見学させて頂く機会は多いです。 見学した工場は化学,金属,成形といった素材,装置型の上場企業とそのグループ企業です。
5S取組みの評価基準作成においては、学術的に統計的なサンプル調査と体系的な評価基準ができれば望ましいですが,実務的には3段階評価で十分と考えています。
Aランク:5Sが定着している。 Bランク:5Sに取り組んでいるものの中途半端で形骸化している。 Cランク:5Sに取り組んでいない。
Aランクの工場は現場の教育に熱心です。集合教育で勉強させ,現場のOJTや小集団活動で実践しています。逃げのOJTでなく,集合教育とOJTの相乗効果が発揮されています。
作業長クラスに5Sの定義を聞いてもきちんと答えられます。そして現場の細部まで5Sが行き届いています。Aランクは大企業の直営工場に多く,さすがしっかりしていると感心します。
Bランクの工場は5Sのすたれた感があります。昔は熱心に取り組んだけれど今は盛り下がっている。現場に任せて工場幹部(対象部門のトップで,課長,部長,工場長等)は関知していない。というような形式的な5Sになっています。
例えばスパナを形跡整頓してあるのですが,使わないスパナまで並べてあったり,棚の天井や床下に工具や備品を置いていたりしています。
いわゆる惜しいのです。Bランクの工場は5Sの再活性化と定着化が課題です。
Cランクの工場は何もやっていないので,工場を診ればすぐわかります。 幹部に話を聞いても「5Sに取り組んでいない」と認識されています。
大企業の直営工場はAランクでもその子会社やそのグループ会社になると5Sに取り組んでいないことが散見されました。
Cランクの工場は5Sをどう導入し進めていくか、そのマネジメントが課題です。
皆様の工場は何ランクでしょうか? 5Sは工場の基本ですから、今一度原点に戻って再検討してはいかがでしょうか。
工場幹部のマネジメントが重要であることは言うまでもありません。
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5S導入の背景・位置付け
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5S活動の進め方
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5Sの目的
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